商品ページ：あの娘と自転車に乗って [DVD]
これはまるで『NHKアーカイブス』を観ているような、じんわりくる懐かしさ。旧き佳き日本の情景も思い出させる、ホロ酸っぱくて純粋な思春期の物語だ。気になる女の子と自転車に乗ることが夢という主人公。大五郎(ロナウド)カットの彼を取り巻く心優しい祖母、厳格な継父、そして、ケンカ相手でありながら“死”を眼前に和解する少年たち。性の目覚めも大地との営みとして象徴的に大らかに描かれる。邦人誘拐事件、アフガニスタン向け米軍キャンプといった情報が先行するキルギスだが、ここにはそんなイメージとはまったく異なる緩やかな時間が流れている。いつか読んだ気さえする男のビルドゥングス・ロマン。劇場公開中の『旅立ちの汽笛』へと至る少年、キルギス社会の変化と対照させれば、感慨はより深まるはずだ。 (丸目蔵人) — 2002年10月号 — 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
監督・脚本: アクタン・アブディカリコフ 脚本: アヴタンディル・アディクロフ/マラト・サルル 撮影: ハサッン・キディラリエフ 出演: ミルラン・アブディカリコウ/アルビナ・イマシェーワ/アディール・アビリカシモフ
— 内容（「CDジャーナル」データベースより）